「セブン・イヤーズ・イン・チベット」は1997年に公開されたアメリカの伝記映画です。この映画は、ハインリッヒ・ハラーの同名の自伝的書籍に基づいており、第二次世界大戦前後のチベットでの彼の経験を描いています。
あらすじ
映画は、オーストリアの登山家ハインリッヒ・ハラー（演：ブラッド・ピット）が、1939年にナチスの支援を受けてヒマラヤ山脈の登山遠征に参加することから始まります。しかし遠征は失敗に終わり、ハラーはイギリスに捕らえられ、インドの捕虜収容所に収監されます。脱走後、彼はチベットに入国し、最終的にその首都ラサに到達します。
ラサでは、ハラーはチベット文化と仏教に深く触れ、ダライ・ラマ（演：ジャムヤン・ジャムツォ）との友情を深めます。ダライ・ラマは若くしてチベットの精神的・政治的指導者であり、ハラーは彼に西洋の科学や文化について教えます。一方、ダライ・ラマからは、慈悲、心の平和、そして自己発見の重要性について学びます。
ハラーはチベットで7年を過ごし、その間に第二次世界大戦が終結し、彼自身も内面的な変化を遂げます。映画は、1950年に中国がチベットを侵攻するところでクライマックスを迎え、ハラーはチベットを離れる決断をしますが、ダライ・ラマとの友情と、チベットで学んだ教訓は彼の宝物になります。
テーマ
「セブン・イヤーズ・イン・チベット」は、冒険と発見の物語であると同時に、自己発見と精神的成長の旅でもあります。ハラーの物語を通じて、映画は文化間の交流と理解の重要性、個人の内面的変化、そして慈悲と心の平和の追求を探求します。
また、チベットの美しい風景と文化、仏教の教えが映画全体に色濃く反映されており、西洋と東洋の哲学的・文化的違いを架け橋する役割を果たしています。さらに、政治的な背景も重要なテーマであり、中国のチベット侵攻によるチベット問題に対する国際的な注意を喚起する側面も持っています。
